東方SS書きである紅雨霽月のブログです。
東方やらラノベやらフリーゲームやら日常のことやらジャンルにはあまり捕らわれてないです。
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私は他の魚よりも目がいい。
だから、海の外から投げ入れられた食べ物についている釣り針も、そこから伸びる釣り糸にも気付くことが出来る。
私は、いつも仲間達に危険を知らせてやっている。
だというのに、誰も私の警告を聞かない。真っ直ぐに食べ物へと食いついて、そこになってようやく針に気付くのだ。
もがいて必死に逃げようとする。けど、喉の奥へと刺さった針はそう簡単には抜けない。
だから、どんなに抵抗しようとも、逃れることは出来ず、結局釣り上げられてしまう。
ああ、どうして誰も私の警告に耳を傾けないのだろうか。
どうして、そうも食べ物へと真っ直ぐと向かっていくのだろうか。
私にはそれが、理解できなかった。
けれど、最近はそれに答えを出せるようになっていた。
もしかしたら、私は彼らよりも頭がいいのではないだろうか、と。
目がいいのではなく、単に注意深く観察をし、その結果危険に気付いてるだけなのではないだろうか、と。
それに気付いて以来私は、仲間達に警告を発するのをやめた。
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